この授業は地域再生論として前期で開講したものを1ヶ月かけて演習という形で進めて行く。開講するにあたり魚津市から多大な協力をいただき魚津市のことを調べて考えていく演習となる。魚津市は豊かな地域資源を持っている。実際に目で見て体感して自分なりの魚津を今後の演習の中でだしていって欲しい。地域のことを考えて活動しているたくさんの方とも触れ合って行動して自分自身の知見を拡げて積極的に参加して欲しい。
平成29年3月31日までの期限の『魚津地域研究員』としての委嘱状が交付され,受講学生27名に村椿魚津市長から一人一人に手渡された。
「魚津市の魅力や課題などを題材に考えていただけることに感謝します。私自身4月まで県庁公務員をしてました。公務員は大変な仕事だがやりがいもあり,気持ちにより楽しくも辛くもなります。地方創生も同じで地域が輝けるのはアクティブに参加して関わる人がどれだけ増やせるかによります。魚津市はみなさんを応援します。一緒に頑張りましょう」
「今回の狙いは魚津市の課題は何だろうかわかってもらうことと, もうひとつは地域を活性化していくことを考えたときに何を提案できるのか考えてもらうこと。魚津市の魅力や課題を直接聞き出すことが目的」
「魚津市の印象は?」
「魚津のイベントに参加したが,観光に力をいれている街。蜃気楼の街」 「県外出身だが印象としては富山の一部。ミラージュランドのイメージぐらい」
「長野出身。魚津は漁業のイメージ。これといってピンとくる大きな産業が無いイメージ」
「富山生まれ。印象は富山海と蜃気楼。遠くて用が無いと行かない地域」 「家庭教師で電車で魚津へ電車で通ったことがあったが,交通が不便で、人がいない閑散としたイメージ」 金岡教授 「学生たちのこんな印象が授業を進めていってどのように変わるか楽しみにしたい」
魚津市立地や自然について説明。最大標高2415mの毛勝山から海岸線まで25kmという山と海が近い急斜面,流れる急流の片貝川・早月川,豊富な地下水量や海底湧水・富山湾の地形や魚津の三大奇観の蜃気楼・魚津埋没林・ホタルイカ群雄海面についても紹介。各種データを示し,住みよさや成長力の高さ,人口動向や構造,産業別人口率,就業率や製造業の販売出荷額・小売業店舗数と人口割りの売り場面積・介護サービス業の現況などを近隣都市の数字と比較して説明し,魚津の強みや特徴・課題を提示した。
地方再生・新たな国土形成計画で求められる新たな地域づくりの世界 人口減少がもたらす地域への影響について説明し,地域づくりの形が変化や地域課題解決を地域自らおこない活性化をはかっている事例を紹介。「今求められている地域政策は住民や企業がメインとなりソーシャルビジネスや地域ビジネスで地域の課題を解決していくこと」と話し,これからの講義で魚津を知り,地域の将来像がどうなるか皆で考えてく旨を伝えた。
「魚津市への質問は?」
「魚津市の5年後と30年後の目標は?市長は人と土地どちらを考えているのか?」
「2020年オリンピック開催も意識しユネスコ無形文化財登録された「たてもんまつり」はじめ文化・食など国内外へ伝え特色ある観光のまちづくりを目標としている。30年後は漁業の町として海の周りで発展した本来の姿に戻し,幅広い世代が暮らす普通の街にしていきたい。フォーカスしているのは『人』です」
「人口減少の中で働く人が減る状況で高齢者を活かすシステムはあるのか?」 魚津市長 「高齢者のシステムについては県レベルでやっている。高齢者についてのワークは有償ボランティアの形でやっているものはあるが、働くという形で魚津市でも考えていきたい」
「昼間人口が他市より減少傾向にあることが目についた。魚津の企業に対して何かすべきではないか」
「昼間人口が減ってきたのは市内にあった技術ある工場が魚津市外の郊外などへ移転していったなどの要因があるが,魚津に住んで生活していることが重要」
「良い質問が多かった。学生たちには市長がこれだけ時間をかけデータ提示し説明してくれたかをよく考えてもらいたい。判るところ判らないところ詰めていきチャレンジして欲しい。見えてくるとアイディアや仕掛け作りがでてくる」
「この科目は富山大学でこれまでやったことがスタイル。フィールドにでて市長の話や様々なことに触れて共有し,地域づくりに関わってもらう。全国的に人口減少して大変な状況である。こういう時だからこそ何かを考えなければいけない。色々なものを見て観察して魚津だったら何をすれば良いのか考えるコトに取り組んでいってもらいたい。半年間の取り組みが将来ために繋がるので真剣に取り組んでいってもらいたい」